右脚ブロック
右脚ブロックについて(一般向け)
皆さん,こんにちは.YMC medicom です.
今回のテーマは「右脚ブロック(うきゃくぶろっく)」です.これは,医療関係者というより,一般の方々向けのお話です.
以前,「子供が健診で心臓の検査でひっかかった(←クリック!)」というテーマでも少しだけ「右脚ブロック」について触れました.本当に少しだけで申し訳ありません…(涙)
私たちが健診の心電図判読を行っていると,「右脚ブロック」は本当によく見かけます.若い人から高齢者まで幅広くみえます.
そこで,今回は健診で引っかかった時に「右脚ブロックってなに?」「怖いものなの?」
など,不安に感じられる方もいらっしゃるかなと思い,簡単に説明したいと思います.
最初に,心臓の電気の流れについて説明したいと思います.
心臓はただ単にドキドキしているのではなく,右心房(うしんぼう)にある洞結節(どうけっせつ)という発電所から規則正しいリズムで発生した電気信号が電線を伝わり,心臓のお部屋を順番に刺激することにより起こっています.
下の図ではその電気の流れである刺激伝導系を示しています.
右脚ブロックは,ちょうどこの図の右心室に向かう電気,「右脚」への電気の流れが悪くなった状態をいいます.そのため,右心室が拍動するのが遅れてしまいます.
つまり,左心室と同時に動くことができず,左心室の後で拍動することとなります.
では,右脚ブロックで何か体調に異常を来すことがあるのでしょうか?
結論としては多くの場合は無症状で,生涯に渡り右脚ブロックのみで何か不都合を起こすことはありません.
ですが,「子供が健診で心臓の検査でひっかかった(←クリック!)」でも少し触れましたが,まれに,背景に心疾患が隠れていることがあります.
右脚ブロックの多くは,加齢だったり,特に基礎疾患を認めないケースがほとんどですが.まれに右心室に負担が増える心臓病(心房中隔欠損症などの先天性心疾患)や狭心症などが隠れている場合もあります.
なので,健診で「右脚ブロック」と初めて診断された場合は,判定ではただの「要観察」(=経過観察でいいですよ)となっていたとしても,一度心エコーを受けることをおすすめします.
医療機関にかかる場合は循環器内科専門医のいる病院・クリニックを受診することをおすすめします.